不思議な世界を油絵やテンペラ技法で紡ぎだす浜口麻里奈。彼女の作品は、宗教絵画のような懐かしさ・神秘性と、親密さや新鮮さを併せ持つ。
多摩美術大学油画専攻卒業後、4年間に渡り、ドイツで制作活動を行った。2015年に帰国後、個展や公募展などを中心に活動を続けている。FACE2017審査員特別賞受賞。
陶のシリーズ
2017年よりスタートした陶のシリーズ。今まで絵画で表現してきた異世界の住人たちが、立体になることにより、絵画の向こう側と、こちらの世界との架け橋を担っているようだ。フェーブのような小さな立体から、中くらいのオブジェ、レリーフなどのシリーズがある。
絵画によるインスタレーション
2011年に卒業制作として発表した”創世〜404の物語”。35mm四方の小さな板に、テンペラ技法によって丁寧に一つ一つ描かれている。日常の風景のようなものから、神話のワンシーンのような象徴的なモチーフまで様々な物語を感じることができる。一つ一つが独立した絵画であり、タイトルも付けられている。2011年以降ライフワークとして取り組んでおり、今もなお小さな物語は増え続けている。
CONCEPT
抽象化された植物・人物・貝・蝶などをモチーフとし、
無限に広がっていく装飾的で幻想的な世界を描いています。
生命が始まり、終わりそしてまた始まっていく永遠の輪廻をテーマとしている私にとって、
繰り返し無限に広がっていく装飾性は必然的な表現となってきました。
どこか民族的で原始的な色とカタチのリズムが、
鑑賞者の記憶と共鳴することを目指しています。
また、私にとって最も重要ともいえるモチーフである” 人物” には顔が無く、 形も多種多様で、植物や、鳥、魚など様々なものに変容し、 周りのものとの境界が曖昧な存在です。
そこには、”
自分が自分であること” は果して重要なことなのかどうか? という疑問を投影しています。
自我が他の動植物と溶け合い、一体になるということは、心地よいことかもしれません。
私の絵画の世界は、境界線が曖昧で、 人から植物へ、植物から鳥へと簡単にメタモルフォーゼの出来る世界です。
個性を叫ばなければならない現代社会を生きる人々の、 憩いの場となることを願いながら描いています。
浜口麻里奈
略歴
1988 横浜に生まれる
2011 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2011 渡独 デュッセルドルフ芸術大学ブランデル教授の元で学ぶ
2012 ドレスデン芸術大学入学 ベンメルス教授の元で学ぶ
2015 帰国
個展
2008 ”遠いタマシイの記憶”、ギャラリーゴトウ、東京 銀座
2012 浜口麻里奈展、ZEN FOTO Gallery、東京 六本木
2013 ”遠い場所へふたたび”、ZEN FOTO Gallery、東京 六本木
2016 浜口麻里奈展、Shonandai MY Gallery、東京 六本木
グループ展・入選展
2009 Roppongi ART WEEK、Shonanndai my Gallery、東京 六本木
2014”Im Bilde”、Bayer Kulturhaus・Leverkusen・ドイツ
2014グループ展、Galerie am Damm・Dresden・ドイツ
2016年 FACE展2016 入選、損保ジャパン日本興亜美術賞展
2016年 トーキョーワンダーウォール2016 入選、トーキョーワンダーサイト
2017年 FACE展2017 審査員特別賞、損保ジャパン日本興亜美術賞展
https://www.facebook.com/onomichi.ArtBiotop